理想の田舎暮らしを実現するには?居住地探しのポイントと住居のお得な入手方法について
昨今のコロナ禍においてリモートワークが普及する中、都会から離れての田舎暮らしを始めてみる方が増えています。この記事では田舎暮らしに興味がある方に向けて、実際に検討するにあたって役立つ情報をお届けします。
- 1.田舎暮らしに興味がある人の割合とその傾向
- 2.田舎暮らしにおける居住地選びのポイント
- 3.住居探しは空き家も選択肢のひとつ
- 4.各種サービスや補助金などを活用してライフスタイルに合わせた居住地選びを
田舎暮らしに興味がある人の割合とその傾向
一般社団法人 移住・交流推進機構が実施したアンケート調査によると、対象の500名のうち半数以上が田舎への移住について興味があるという結果が出ています。
また、その理由としては「自然に囲まれて暮らせそう」という声が最も多く、次いで「安くて広い土地で暮らせそう」、「働き方や暮らしを変えたい」といった意見が多く見られました。
参考:「JOIN発信!「田舎暮らし」について500人に聞いてみた!」(一般社団 法人移住・交流推進機構)
リモートワークの普及により、居住地は利便性だけで選ばない時代へ
2020年2月頃から広がった新型コロナウイルスの影響により、日本全国でリモートワークが広く普及しました。
パーソル総合研究所が行った調査によると、企業の正社員がテレワークを実施した割合は2020年2月の13.2%から同年3月には27.9%と、約2倍に増加しています。その後も現在(2022年2月頃)まで27%前後で落ち着き、これまで日本では少数派だったリモートワークが新しい働き方として定着の兆しを見せたと言えるでしょう。
参考:「第六回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」 (株式会社パーソル総合研究所)
リモートワークが普及していくことにより、これまでの職場へのアクセスなどを重視した居住地選びから、より自身の生活スタイルに合った居住地を選ぶ方が増えてくると推察できます。買い物の利便性という点でも、ネット通販の拡大により都心でなければ調達できないものはほとんどなくなってきました。
これらの要因から、これまでは田舎暮らしに憧れを抱くだけに留めていた方でも、今後はより本格的な実現に向けて動き出しやすい世の中になっていくと考えられます。
田舎暮らしにおける居住地選びのポイント
いざ「田舎暮らしを始めよう!」とは言っても、土地勘のない地域であればざっくりとしたイメージや、観光地についての知識しかないという方もいるのではないでしょうか。実際の住み心地は、住む前にはわからない部分が多いものです。
田舎暮らしにおける居住地選びの際は、最低限以下のポイントを確認することをおすすめします。
都市部へのアクセスを考慮する
リモートワークでの田舎暮らしとは言っても、一部出勤する可能性がある場合は都市部へのアクセスを考慮する必要があります。また、将来的に子育てを前提とする場合は、子どもの習い事や通学の利便性も考慮すべきです。
具体的には、郊外であっても新幹線を利用できる駅に近い場所や、隣町がある程度栄えている場所を選ぶなどといった方法が挙げられます。
地方移住者同士が集まる地域を選ぶ
田舎では、都会と比べて人口が少ないことから閉鎖的なコミュニティが形成されがちです。少し出かけようものなら必ずと言ってもいいほど近所の方と出会いますし、地域によっては独自の風習が暗黙の了解として広がっている場合も。
郷に入っては郷に従えという言葉もありますし、お互いに助け合えるご近所付き合いは決して悪いことではありません。ただご近所同士の距離感が近すぎるのが苦手という方は、同じ移住者同士が多い地域を探すほうが気楽に過ごせるかもしれません。
自治体の移住支援制度を確認する
自治体によっては、地域の活性化を目的として移住支援制度を設けている場合があります。
例として福島県喜多方市の喜多方市移住者住宅取得支援事業では、条件を満たす移住者を対象に新築住宅の取得補助金として最大400万円もの金額を補助しています。
その他にも子育て支援制度が充実している自治体や、二拠点目としての定住を支援する制度がある場合など、各自治体の支援制度は多岐にわたります。気になる地域を見つけたら、自治体HPで移住支援制度を確認してみてください。
住居探しは空き家も選択肢のひとつ
田舎暮らしを実現するには新しい住居を用意する必要がありますが、その方法として注目を集めているのが「空き家」の活用です。
日本では、高齢化社会の影響によって増え続ける空き家が社会問題となっており、企業や各自治体はそれらの有効活用に力を入れています。
空き家が地域で問題視される1つ目の理由は、空き家が増えているということです。2013年の総務省調査によると全国の空き家数は約820万戸、全住宅の7戸に1戸が空き家という状況になっています。2033年頃には空き家数2,150万戸、なんと全住宅の3戸に1戸が空き家になってしまうという民間予測となっています。 引用:「増え続ける空き家~2つの空き家問題~」(NPO法人 空き家・空地管理センター)より
「空き家バンク」を有効活用して初期費用を大幅に軽減
上述した空き家問題を解決するため、企業や自治体は「空き家バンク」と呼ばれるWebサービスを提供しています。空き家バンクは、空き家の所有者が物件の情報を登録し、安く住居を手に入れたい利用者向けに環境を整えることで、双方にメリットがあるというサービスです。
物件の築年数や地価にもよりますが、郊外の空き家であれば安いもので100万円程度からと破格の値段で手に入れることも可能です。経年劣化などによりリフォームが必要な場合でも、自治体によっては空き家バンクを利用して住居を入手した方を対象にリフォーム費用を一部負担してくれる補助金の制度がある場合も。
最新の物件にこだわらなければ、これらのサービスを利用することで田舎暮らしを始めるにあたっての初期費用を大幅に軽減することが可能です。選択肢のひとつとして、検討してみてはいかがでしょうか。
各種サービスや補助金などを活用してライフスタイルに合わせた居住地選びを
田舎暮らしは、ご紹介した空き家バンクのような支援サービスを利用することで初期費用を大幅に軽減することが可能です。多額のローンを組んで都心に家を構えるよりも負担が少なく、都会の喧騒から離れた土地でゆったりとした生活が送れるでしょう。
補助金だけでなく、自治体によっては子どもの医療費や給食費の助成に力を入れているところもあります。長期的に住むことを想定しているのであれば、自身と家族のライフスタイルを総合的に考えた上で、理想の居住地を探してみてください。